bZ4Xは補助金ありでも高すぎる?購入価格や維持費を試算してみた

トヨタ初の量産EV「bZ4X」。これまでKINTOのみでの取り扱いでしたが、2023年11月の一部改良に合わせて一般販売が開始されました。(※KINTOプランは、2024年7月31日に新規申し込みの受付が終了しています。)

これを受けて、ますますの注目を集めると同時に、「価格設定が高すぎる」との声も確認されるようになりました。

本記事では、補助金を考慮した購入価格の試算や維持費の試算をもとに、「bZ4Xが高すぎる」との声の真偽を明らかにしていきます。

bZ4Xの購入を検討中の方には必ず役立つ内容となっておりますので、是非最後までお付き合いください。

この記事のまとめ
  • KINTOプランは、2024年7月31日に新規申し込みの受付終了で、現在は一般購入のみ。
  • bZ4Xの購入には最大約90万円の補助金が利用可能。
  • 補助金を考慮した乗り出し価格は、500万円~600万円と想定。特別「高すぎる」わけではない。
  • bZ4Xの維持費は、一般的なガソリン車やハイブリッド車と比較して優れる。ただし、バッテリー交換が必要となると高額な修理代が必要となるため、注意が必要。
  • リセールはあまり期待できない。
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目次

bZ4Xの価格設定は高すぎる?

  • bZ4Xとはどんな車?
  • bZ4Xの価格設定は高すぎる?

bZ4Xとはどんな車?

トヨタのEV戦略とbZシリーズの位置づけ

トヨタは、「Beyond Zero(Zeroを超えた価値の創出を目指す)」というスローガンのもと、カーボンニュートラル実現に向けた新たなEVシリーズ「bZ」を展開しています。その第1弾として登場したbZ4Xは、SUVスタイルを採用し、トヨタ独自のEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を基盤に開発されました。このプラットフォームは、低重心設計や剛性の高い車体構造を可能にし、快適な走行性能を実現しています。


bZ4Xの主要な仕様と性能

bZ4Xは、上位モデルの「Z」と下位モデルの「G」の2モデルがあり、主なスペックは下表のとおりです。

項目ZG
全長×全幅×全高4690mm×1860mm×1650mm4690mm×1860mm×1650mm
駆動方式FWD/E-FourFWD/E-Four
航続距離559km[540km]567km[551km]
総電力量71.4kWh71.4kWh
最大出力150kW(204PS)150kW(204PS)
充電時間(急速)約40分で80%(200A)約40分で80%(200A)
車両価格約600万円~約550万円~
※[]内はE-Four

詳細については、公式サイトの主要諸元表をご覧ください。

>>トヨタ bZ4X 主要諸元表

bZ4Xの設計と特徴

デザイン面では空力性能を意識した滑らかなフォルムが採用されており、室内空間も広々としています。

特に室内空間は、BEVの採用によりプラットフォームの省スペース化を図り、ゆとりある室内空間を実現しております。

さらに、電動車両特有の静粛性と、SUVらしい高い走行安定性を併せ持つ点が魅力です。

BEVとは「Battery Electric Vehicle」の略で、バッテリーの電気のみを使って走行するクルマを指します。

引用元:トヨタ公式サイト,初めての電気自動車-BEV-,https://toyota.jp/info/bev/beginners/,(令和7年1月13日)
引用元:トヨタ公式サイト,bZ4X,https://toyota.jp/bz4x/gallery/?padid=from_bz4x_feature_ft-design-1_detail#des-ext,(令和7年1月13日)

bZ4Xの価格設定は高すぎる?

高価格設定の背景

bZ4Xは、車両本体価格約600万円~となっており、この価格設定が「高すぎる」と波紋を呼んでいます。これには、性能や航続距離、安全性を重視した製造コストやバッテリー価格が大きく影響しています。さらに、充電インフラの整備費用や研究開発コストも価格設定に反映されています。


KINTO(サブスク)のみの販売であった理由

bZ4Xは、現在でこそ一般販売されておりますが、発売当初はKINTOによるサブスクおよびリースのみでした。その理由は、以下の2点とされています。

残価率低下による不安払しょく

EV車の最大の課題として、バッテリーの劣化があげられます。バッテリーが劣化することにより、残価率が低下することが消費者の不安材料となり、一般販売での需要が確保できないと考えたのが、KINTOのみでの販売とした大きな要因です。

また、EV車はいまだ未知数な部分もあり、故障などを想定した買い控えリスクも要因の一つとして挙げられます。

バッテリーの確実な回収

bZ4Xのコンセプトとして、「カーボンニュートラル実現」があげられます。KINTOによる販売のみとし、バッテリーを確実に回収することで、これを実現していました。

なぜこのタイミングで一般販売開始?

前述の通り、発売当初はKINTOのみの取り扱いでしたが、2023年11月の一部改良に合わせて一般販売が開始されております。その理由はシンプルで、販路を拡大し、売り上げ台数を伸ばすためとされています。

当初は、消費者のEVに対する不安払しょくの対策としてKINTOによる販売が開始されましたが、KINTOを嫌がる消費者も多く、思うように売り上げが伸びなかったため、一般販売により売り上げを台数を伸ばす考えです。

また、KINTOプランは、2024年7月31日に新規申し込みの受付が終了しています。よって、現在bZ4Xを入手するためには一般購入のみとなっています。

補助金を考慮した購入額の試算

bZ4Xの購入には最大約90万円の補助金が利用可能であり、実質負担額を大幅に軽減できます。補助金内訳は以下のとおりです。

補助金と優遇額の内訳(試算例:bZ4X Z(4WD)の場合)
項目金額
クリーンエネルギー車導入補助金850,000円
エコカー減税(自動車重量税)約37,500円減税(0円)
グリーン化特例(自動車税翌年度)約18,500円減税
環境性能割非課税(0円)
合計優遇額約906,000円

補助金の詳細については、公式サイトをご確認ください。

>>トヨタ公式サイト bZ4X | エコカー対象グレード

補助金を考慮した想定の乗り出し価格は下表のとおりであり、グレードにもよりますが、500万円~600万円となることが想定されます。

bZ4Xの乗り出し価格試算表
項目Zグレード(4WD)Gグレード(4WD)
車両本体価格(税込)¥6,000,000¥5,500,000
補助金(エコカー補助金)-¥900,000-¥900,000
登録諸費用・税金(概算)約¥300,000約¥300,000
オプション装備(フロアマット等)¥250,000(任意)¥250,000(任意)
保険料・メンテナンス費用約¥150,000約¥150,000
充電設備設置費用¥100,000¥100,000
総額試算¥5,650,000~¥5,900,000¥5,150,000~¥5,400,000

この金額を見て、やや高めと感じる方もいるかもしれませんが、「高すぎる」というわけではないのではないでしょうか。

bZ4Xは高すぎる?維持費と中古車市場

  • bZ4Xは維持費も高すぎるのか
  • 中古車市場でのbZ4Xの動向
  • bZ4Xへの乗り換えを成功させるコツ

bZ4Xは維持費も高すぎるのか

車の維持費

燃料費(電気代)の試算

bZ4Xの燃料費は、電力消費量と充電環境に大きく依存します。

トヨタ公式サイトでの試算では、1回の満充電で約2,480円としています。

航続距離は約550kmであることから、年間1万キロ走行の場合、年間の燃料費(電気代)は約45,000円となります。

駆動用電池充電警告灯点灯から満充電にするのに掛かる電気代の目安は、200V充電で約2,480円です。

引用元:トヨタ公式サイト,【bZ4X】1回の充電にかかる電気代を教えて。,https://toyota.jp/faq/show/10519.html,(令和7年1月14日)

メンテナンス費用

bZ4Xは、ガソリン車に必要なエンジンオイル交換やエアフィルター交換が不要であるため、メンテナンスコストを大幅に削減できます。一方で、前述のとおり、bZ4Xのみならず、EV全般の課題として、バッテリーの劣化があげられます。8~10年後にバッテリー交換が必要となった場合、その費用は約100万円を超えてくることが想定されます。この費用は一度に発生するため、長期利用を検討する場合には計画的な資金準備が重要です。


保険料と税金

bZ4Xはエコカー減税およびグリーン化特例の対象車両であり、購入後の税金負担は大幅に軽減されます。具体的には、車両重量税が免税、自動車税が初年度は75%減税されるため、初年度の負担額は約6,500円に抑えられます。また、任意保険料については、車両価格が高額であるため通常のガソリン車よりもやや高くなる傾向がありますが、安全性能の高さによる割引が適用されるケースもあります。


総維持費の試算

bZ4Xの維持費について、以下のとおり条件を仮定してガソリン車とハイブリッド車との比較を行いました。

試算の結果、維持費に関しては、bZ4Xは一般的なガソリン車やハイブリッド車と比較して優れると言えます。

ただし、バッテリー交換が必要となると高額な修理代が必要となるため、注意が必要です。

試算条件
  • 走行距離:年間10,000 km
  • ガソリン価格:¥170/L
  • 電気料金:¥40/kWh
  • 燃費(ガソリン車・ハイブリッド車):平均値
  • メンテナンス費:メーカー推奨整備を基準に概算
  • 保険料:車両価格に応じた標準的な額
年間維持費比較表
項目bZ4X (電気自動車)ガソリン車 (排気量1.5Lクラス)ハイブリッド車 (1.8Lクラス)
燃料費約¥45,000 (2000 kWh)約¥119,000 (700L)約¥76,500 (450L)
自動車税¥6,500(EV減税適用)¥30,500¥20,000
自動車重量税¥0(EV減税適用)¥15,000¥10,000
保険料(目安)約¥70,000約¥50,000約¥60,000
メンテナンス費約¥20,000約¥40,000約¥30,000
車検費用(年換算)約¥10,000(重量税0円含む)約¥40,000約¥30,000
合計(年間)約¥151,500約¥294,500約¥226,500
※bZ4X (電気自動車)のバッテリー交換は考慮していない。

ポイント解説
  1. 燃料費
    • bZ4Xは電気自動車のため、充電コストが非常に低いです。夜間電力プランを利用するとさらに削減可能です。
    • ガソリン車は燃料費が高く、特に燃費が悪い車種では維持費がさらに増加します。
  2. 税金
    • bZ4Xはエコカー減税の対象で、自動車税と重量税が免除または軽減されます。
    • ハイブリッド車はガソリン車よりもやや軽減措置がありますが、完全免除ではありません。
  3. メンテナンス費
    • bZ4Xは内燃機関がないため、オイル交換やエンジンメンテナンスが不要で、費用が抑えられます。その一方、8~10年後にはバッテリー交換が必要となる可能性があります。
  4. 車検費用
    • EVの重量税は免除されるため、車検費用がガソリン車やハイブリッド車よりも安価です。

中古車市場でのbZ4Xの動向

中古車市場の供給状況

bZ4Xは、一般販売を開始する2023年11月13日まではサブスクサービスのKINTOでの提供のみであったこともあり、中古車市場に流通する車両は限定的です。しかし、今後は一般販売車の流通やKINTOの契約満了などにより、これまでより市場に出回る可能性があります。このため、今後は中古車市場も十分にねらい目になってくると言えます


残価率とリセールバリュー

bZ4Xの残価率はまだ未知数ですが、EV市場の傾向として、航続距離の長さやバッテリー状態が中古車価格に大きな影響を与えることが知られています。

下表は、すでに多数の中古車実績のある日産リーフのリセール情報とこれから想定するbZ4Xのリセール情報です。


リーフおよびbZ4Xの残価率・リセール価格比較表

スクロールできます
項目新車価格3年後残価率3年後リセール価格5年後残価率5年後リセール価格10年後残価率10年後リセール価格
リーフ ¥4,400,00035%約¥1,540,00025%約¥1,100,0005%約¥220,000
bZ4X(推定)¥6,000,00040%約¥2,400,00030%約¥1,800,00010%約¥600,000

bZ4Xへの乗り換えを成功させるコツ

ベストな購入タイミングを見極める

bZ4Xへの乗り換えを検討する際は、購入のタイミングが重要です。具体的には以下の通りです。

  1. 決算期やボーナスシーズンを狙う
     ディーラーは3月と9月の決算期やボーナスシーズンに向けて販売目標を達成しようとするため、割引やオプション追加の特典が期待できます。
  2. モデルチェンジ前後の時期をチェック
     新モデルが発表される前後では、旧モデルの在庫整理で値引きが行われることがあります。ただし、新型モデルには最新の機能が搭載される可能性があるため、用途や予算に合わせた選択を心がけましょう。
  3. 中古車市場の動きにも注目
     前述のとおり、bZ4Xの中古車市場は現段階では多くは出回っていない状況です。定期的に在庫状況を確認しつつ、出遅れないことが重要です。

また、今乗っている車の査定額が高いうちに売却することで、買い替えコストを抑えることができるため、査定額を確認しておくのもおすすめです。

賢く今の車を売却する方法

乗り換えをスムーズに進めるには、現在の車をできるだけ高く売る準備も大切です。

以下に、車を高く売るコツについてまとめました。

  • 売却時期を見極める: 春先やボーナス時期に備える1・2月、7・8月は高額査定が期待できます
  • 車の状態を整える: 洗車や小傷の修理、車内の清掃などを行い、見た目を良くすることで査定額がアップすることがあります。
  • 相場を把握する: 一括査定サイトなどで買取相場を確認し、適正価格を理解することで、不当に低い査定額を回避できます。
  • 複数業者で査定を比較する: 複数業者から査定を受けることで競争を生み出し、最高値を引き出すことが可能です。
  • 付加価値をアピールする: 純正オプションや禁煙車であることをアピールし、査定額アップにつなげる。

なお、車を高く売るコツや実体験を踏まえた本当におすすめの車買取業者については、『【実体験】本当におすすめの車買取業者3選!<2025年最新>』で詳しく解説しておりますので併せてご確認ください。


bZ4Xは補助金ありでも高すぎる?購入価格や維持費を試算してみた:総括

本記事では、bZ4Xが高すぎるとの噂の真相について解明していきました。これについては賛否はあるものの、航続距離、低維持費、安全性能などの強みが目立ちます。「高すぎる」の感覚は人それぞれですが、補助金も考慮すると十分に選択肢に入ってくるのではないでしょうか。

本記事が、bZ4X購入の手助けとなることを願っています。

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この記事のまとめ
  • KINTOプランは、2024年7月31日に新規申し込みの受付終了で、現在は一般購入のみ。
  • bZ4Xの購入には最大約90万円の補助金が利用可能。
  • 補助金を考慮した乗り出し価格は、500万円~600万円と想定。
  • bZ4Xの維持費は、一般的なガソリン車やハイブリッド車と比較して優れる。ただし、バッテリー交換が必要となると高額な修理代が必要となるため、注意が必要。
  • リセールはあまり期待できない。
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